2011年12月27日火曜日

12月26日「ボビンレースはこうして作る」

 「ボビンレース」は、マリー・アントワネットの肖像画などにも描かれるドレスの袖や、デコルテの縁などを3段4段、華やかに飾るレースのことだ。


 かぎ針編みのレースと比べて、薄くフラット。


 繊細巧緻の美、手芸の極致、糸の宝石、織物の貴族ともいわれる。


 これまでアンティークレースを見る機会はあったが、制作中のものを今日、初めて目にした。
 
 固定した型紙の上に、デザインの通りにピンがいくつもいくつも、まるで針山のように固定する。
 そのピンに沿って、細長い糸巻き・ボビンを動かして、糸を左右に交差させて織り上げていく。


 ボビンと名がついているから、糸巻きまではぼんやりとわかっていたけれど、こんなふうに作るとは……ちょっと想像していなかった。

 このボビンレースを製作していたのは、25年近く一緒に仕事をしてきたYukiさん。引っ越しをした彼女の新居に遊びに行って、制作途中のコレを発見してしまった。

 使用する糸が細ければ細いほど薄いレースになる。繊細なデザインのレースを作るときには100本以上のボビンを使うこともあるという 
 気が遠くなるほど時間と技術を要する手工芸なのだ。

 ボビンレースは16世紀にイタリアで生まれ、17世紀にヨーロッパ中に広まり、18世紀、宮廷貴族社会に支えられ、全盛期を迎えた。
 このレースは富の象徴でもあったのだ。


 王侯貴族の肖像画は、この豪華なレースなくしてはありえない。

 しかしフランス革命での貴族社会の崩壊とともに、ボビンレースは衰退。
 現在では機械レースに追われ、手工芸のボビンレースはほとんど姿を消した。

 アンティークレースを見ると、いつも、どうやってこんなものを作るんだろうと思っていた。本当にきれいで繊細で、でも驚くほど高価でもあって……。
 
 その疑問がとけた。
 
 
Yukiさんは、フランス刺繍で絵も描く。

 彼女が手掛ける手工芸のページがいつも素敵なわけである




 アンティークのボビンレースグッズ。Yuki'sコレクション


ブリュッセルの風景をフランス刺繍で。3枚のうちの1枚。

おしゃべりの後近所を散歩。空がきれい。


紅葉がちょっとだけ残っていました

羊皮紙に描かれたグレゴリオ聖歌。Yuki'sコレクション。 

0 件のコメント:

コメントを投稿