2011年12月30日金曜日

12月30日山形のおすすめ初もうでスポット

 山形市の中心街・七日町に、「御殿関」という新しい名所がある。

 御殿関は、今から400年ほど前、時の山形城主・鳥居忠政が川の氾濫を抑え、なおかつ城の濠の水源と、城下町の生活用水、そして農業用水の確保のために作った「山形五堰」(笹堰・御殿堰・八ケ郷堰・宮町堰・双月堰:山形を網の目のように流れている)のひとつ。

城の濠を満たすために作られた御殿関は、時代が進むにつれ、生活用水、防火用水、あるいは製糸業や染物・鰻問屋・養鯉業などの産業用水にも用いられてきた。

 人の暮らしは清らかな水とともにある。
 平成になって、往時をしのばせる町屋と蔵の並ぶ御殿関が復活し、今、市民の憩いの場となっている。

 その御殿堰の奥にあるのが、山形鋳物で作られた食物・財福をつかさどる大黒天だ。
 この季節にはかまくらの中で、大黒様、ゆったりと微笑んでいらっしゃるかのよう。

 元日、雪の町やと御殿関の風景をめでつつ、大黒天に初もうでするつもり。

 今年も食べ物に困りませんように 
   できればおいしいものが食べられますように!
 暮らしていけるだけのお金が入ってきますように。
    できれば……ザックザク!。
           …………………って♡  


 山形・御殿堰の大黒天。優しいお顔をしています。
寒くないよう雪のかまくらに鎮座ましまして。
     
 御殿関の町屋には、
おいしい「蕎麦処・庄司屋」さん。
創業110年の老舗呉服店「結城屋」さん(かわいい小物もたくさん)。
日本人ではじめてフェラーリのデザインを手がけた奥村清之さんのオリジナルグッズやセレクトグッズを一手に扱っている「GOTENZEKI SHOP」。
そして和風喫茶、蔵のレストランなどなどあって、お茶を飲んだり、ショッピングをしたりも楽しい。

2011年12月29日木曜日

12月28日アリシア・デ・ラローチャ「グラナドス・スペイン舞曲集」と上田秀人「奥右筆秘帳」シリーズ



 旅のお供は、本とナンプレとアイポッド。


 アイポッドに今入っているのは、アリシア・デ・ラローチェの「グラナドス・スペイン舞曲集」など。
 1月にピアニストの熊本マリさんに仕事でお会いすることになり、
 熊本さん→スペイン→アリシア・デ・ラローチェ……
 そうだ。 5~6年前、朝に晩に流していた彼女のピアノ曲を久々に聞いてみよう。と、CDの棚を探し……ない。ない。あった……やっとのことで発見。


 スペインの青い空、光が作る深い影、オリーブの木々と風……。
 そんな風景が心に染みるような美しいピアノ。
 激しさの中にも、優雅さがある。
 
 
 上田秀人の「奥右筆秘帳」は「この文庫書き下ろし時代小説がすごい!」(宝島社刊)で第1位に輝いたシリーズ。
 奥祐筆組頭・立花併右衛門の「文」、隣家の貧乏旗本の次男・柊衛悟の「武」、併右衛門の一人娘・瑞紀と衛悟の「恋」のバランスが絶妙だ。


 シリーズ8冊目の「刃傷」は、併右衛門が伊賀忍者の不正を調べているものと誤解した伊賀忍者から狙われてしまう。江戸城内で斬りつけられ、殿中御法度の白刃をさらすという罠に陥れられ……。

 併右衛門抹殺に失敗した伊賀忍者が保身のために松平定信と一ツ橋治斉に通じるなど、権力者のしたたかさとしぶとさ、暗躍ぶりなど、なるほどと思わせられる。

 一気に読了。


 板谷峠は深い雪。
米沢あたりでは里も雪。






 
 
故郷山形は、すっかり雪景色でした!

2011年12月27日火曜日

12月26日「ボビンレースはこうして作る」

 「ボビンレース」は、マリー・アントワネットの肖像画などにも描かれるドレスの袖や、デコルテの縁などを3段4段、華やかに飾るレースのことだ。


 かぎ針編みのレースと比べて、薄くフラット。


 繊細巧緻の美、手芸の極致、糸の宝石、織物の貴族ともいわれる。


 これまでアンティークレースを見る機会はあったが、制作中のものを今日、初めて目にした。
 
 固定した型紙の上に、デザインの通りにピンがいくつもいくつも、まるで針山のように固定する。
 そのピンに沿って、細長い糸巻き・ボビンを動かして、糸を左右に交差させて織り上げていく。


 ボビンと名がついているから、糸巻きまではぼんやりとわかっていたけれど、こんなふうに作るとは……ちょっと想像していなかった。

 このボビンレースを製作していたのは、25年近く一緒に仕事をしてきたYukiさん。引っ越しをした彼女の新居に遊びに行って、制作途中のコレを発見してしまった。

 使用する糸が細ければ細いほど薄いレースになる。繊細なデザインのレースを作るときには100本以上のボビンを使うこともあるという 
 気が遠くなるほど時間と技術を要する手工芸なのだ。

 ボビンレースは16世紀にイタリアで生まれ、17世紀にヨーロッパ中に広まり、18世紀、宮廷貴族社会に支えられ、全盛期を迎えた。
 このレースは富の象徴でもあったのだ。


 王侯貴族の肖像画は、この豪華なレースなくしてはありえない。

 しかしフランス革命での貴族社会の崩壊とともに、ボビンレースは衰退。
 現在では機械レースに追われ、手工芸のボビンレースはほとんど姿を消した。

 アンティークレースを見ると、いつも、どうやってこんなものを作るんだろうと思っていた。本当にきれいで繊細で、でも驚くほど高価でもあって……。
 
 その疑問がとけた。
 
 
Yukiさんは、フランス刺繍で絵も描く。

 彼女が手掛ける手工芸のページがいつも素敵なわけである




 アンティークのボビンレースグッズ。Yuki'sコレクション


ブリュッセルの風景をフランス刺繍で。3枚のうちの1枚。

おしゃべりの後近所を散歩。空がきれい。


紅葉がちょっとだけ残っていました

羊皮紙に描かれたグレゴリオ聖歌。Yuki'sコレクション。 

2011年12月25日日曜日

12月24日司寿司 お寿司とワインの会

クリスマス・イブ。Miyukiさんのお誘いで、葛西の「司寿司」のワインの会に。


①甲州スパーリング:フジッコワイナリー
 優しい香り、スッキリとした味わいで「乾杯!」
②ヌーヴォー・甲州2011:森田甲州ワイナリー
 さわやかな飲み口。青リンゴのような香り。
③ヌーヴォー・マスカットベリーA:森田甲州ワイナリー
 渋みが少なく、優しい味わい。
④シトラスセント甲州2011:蒼龍葡萄酒
 柑橘系の香り。清涼感があり爽やか。
⑤山梨のベリーA:蒼龍葡萄酒
 イチゴ、ベリー……それにバニラっぽい香りが加味されたチャーミングな味わい。


 これらのワインはすべて山梨のワイン。
 セレクトしたのは自然派ワイン専門店「ウィン」(☎03・6805・2531東京・篠崎)のオーナー! ナイスセレクションでした。


 司寿司(☎03・3688・2156  東京・葛西)は、東西線・葛西駅から徒歩4~5分にある寿司とフグの名店。
 
 刺身、からすみ(今年のもの、めっちゃ、おいしかったっ)、生牡蠣……。
 そしてフグ! さらには手打ちの蕎麦。


 フグの白子のしゃぶしゃぶは、初めていただいた。クリーミーで、すっきり品がよく。口の中いっぱいに甘みと旨みがひろがった。
 

2011年12月24日土曜日

12月24日今川でランチ。渋谷でネイル。

今日は、中澤さん主催のボイストレーニングに久しぶりに参加。その後中澤さんと参加した人計5名でランチ。今川のお花屋さんの2階の新しい和食のお店に。

つぼ鯛の塩焼き、筑前煮、揚げ出し豆腐、ホウレンソウの胡麻和え、天ぷら、刺身、茶わん蒸し……1300円でこの豪華さ(コーヒーとデザートもついています)。

楽しいおしゃべりを続けて、はっと気づくと3時ちょっと前でした。


渋谷のnail NOCE(☎03・6416・9602)で22日にカルジェル。
臼井さんがとても丁寧に、すっきりと仕上げてくれた。
フレンチに金のライン、薬指にだけラインストーンをプラス。指先がきれいだと気もちがいい♡


12月23日凛太郎、GFのあずきちゃんと会う。



  ガールフレンド・あずきちゃんが遊びに来てくれて、リン太郎は大興奮。
 あずきちゃんが気になって、大好きなご飯も気もそぞろ。そのうちにあずきちゃんにペロリとたいらげられてしまった。
 でも、怒らない。
 この2匹はゼロ歳の時から毎朝、一緒にお散歩をして、走ったりお相撲をしたり。本当に相性がいいのである。


これが凛太郎君。上の白い犬があずきちゃん。

 あずきちゃんがこの夏引っ越してしまい、リン太郎はがっくしきていたのだ。今日は久々の再会でした。

 ちなみに、あずきちゃんはキャバリア(ブラックタン)とチャイニーズ・クレステッド・トングのミックス。
 女優のような演技力を持つ(足をちょっとでも踏まれたりすると、「私、もうダメ」みたいに崩れ落ちて、しばらくの間、憂いに沈む)、なかなかの知性派犬だ。
 
リンにできるのは、憂いに沈んだあずきちゃんのそばに行き「どうしたのどうしたの。遊ぼうよ遊ぼうよ」(たぶん!)としつこく言い続けることだけである。

12月22日世田谷パブリックシアター「欲望という名の電車」

「欲望という名の電車」 作:テネシー・ウィリアムズ 訳:鳴海四郎
演出:鵜山仁   音楽・演奏:小曽根真
出演:高畑淳子、神野三鈴、宅間孝行、小林正寛、金内喜久夫、塾一久、川辺邦弘、山本道子、宇宙、津田真澄


 Desire(欲望通り行き)という電車に乗って、ブランチ・デュボワ(高畑)はニューオリンズに住む妹ステラ(神野)の家にやってきた。ブランチは南部のオリオールの名家に育ったが、家族の看護などで財産を使い果たしていた。
 病的なほど精神が不安定な上に上流社会出身を鼻にかけるブランチの行動が、気に障り反発するステラの夫スタンリー(宅間)。やがて、ブランチの過去が次々に暴かれ彼女の精神は壊れていく。


 一瞬とまどいを感じるほど、高畑さんのブランチは明るい。
 おおらかさと滑稽味は彼女の持ち味でもあると思うが、ブランチの言葉に触発されて、客席のあちこちでときどき笑いがもれてしまうのだ。だがそうやって、するりと高畑ブランチは観客の心の中に入り込む。だからなんだろうか。彼女の精神が崩壊していく過程は本当にわかりやすかった。
 しかしそのために、貴族的上流社会からの没落するという痛みや時代性が薄まってしまったようで、そこはちょっと残念だった。


 神野さん演じるステラは、生命力にあふれていた。貴族的上流社会を捨て、ぎりぎりのところで踏みとどまり、たくましく生きる女性を好演して魅力的だった。
 神野さんは、2011年4月にシアターコクーンで上演された「トップガールズ」に、女性であることを隠し法王になった ヨハンナ役で出ていたのも、拝見。
 厚みのある、ハートフルな女優さんだと思う。


 音楽も素晴らしかった。上手に置かれたグランドピアノを小曽根真が物語に寄り添うように奏でる。物語のひと筋の道を照らしているかのように。拍手。

2011年12月20日火曜日

12月20日うちの箱ネコ

箱があるとスルリ。

中に入って嬉しさ爆発! 

えへっ……。
顔がちょっと笑っちゃってるソラ次郎です。

ソラ次郎の特技:ご飯の時間になると「ゴハ~ン♪ ゴハ~ン♪」となくこと。

2011年12月19日月曜日

12月17日美浜公民館「歌いっぱいの音楽会」

「歌いっぱいの音楽会~美しい日本の風景Ⅱ~」
 メゾソプラノ:中澤和子 ピアノ:平田秀子 賛助出演:サンデーコーラス


 中澤さんは、非常勤講師として小学校に勤めていたとき、障害を持つ子供やその家族がなかなか音楽会に行けないことをしり、教職を辞した10年前から、バリアフリーコンサートと副題をつけて、地域の公民館でコンサートを開いてきた。

 10回目となる今年。イタリア歌曲から日本の歌まで幅広い楽曲を歌い上げた。
 200名入る会場は人でいっぱい。毎年、楽しみに訪れる人も多い。全員で合唱をするコーナーもあり、アットホームな雰囲気で盛り上がった。
 
 地域で気軽に、上質な音楽を楽しんでほしいと活動を続けてきた中澤さん。なかなかできないことだ。本当に偉いと思う。

 温かく豊かな声は、そのままその人となりを感じさせる。

 10年という歳月を重ねた今、また新しいステップに挑戦してほしい。

2011年12月18日日曜日

12月14日新国立・小劇場「みんな我が子」


アーサー・ミラー作 伊藤美代子翻訳 ダニエル・カトナー演出 新国立劇場小劇場 ~18日まで 20~21日大阪・サンケイホールブリーゼ
出演:長塚京三、麻実れい、田島優成、朝海ひかる、柄本佑ほか。


 第二次世界大戦後のアメリカ。ケラー家では、ふたりの息子のうち、ひとりが戦争で行方不明になった。そのまま3年が過ぎようとしている。
 また戦時中、ケラー家の夫ジョー(長塚)の工場から出荷された不良部品のせいで飛行機が墜落。21人もの若者が死亡してしまうという出来事があった。その出荷の日の責任者だったジョーのビジネスパートナーだけが有罪となり、収監されていた。
 そんなケラー家に、アン(朝海)がやってくる。アンは長男の恋人だった女性であり、収監された男の娘だった。二男クリス(田島)はアンと結婚するつもりだったが…。


 麻実さん演じるのは、戦時中に行方不明になってしまった息子の死をどうしても受け入れることができない母親。夫に従順な彼女は、普段は明るくふるまっている。
 だが、長男の話になると、深い絶望がじわりとにじむように現れる。長男が行方不明になったときから時が止まった哀しみが伝わってくる。
 静かに、ときに激しく、舞台を自在に引っ張っていく麻実さんの豊かな演技が素晴らしい。
 白でまとめられた舞台も、登場人物を浮き上がらせるのに効果的だった。
 余韻が深い。心にしみる、そして考えさせられる作品だった。

2011年12月10日土曜日

12月10日日生劇場 「 十二月歌舞伎 」昼の部


 「 十二月歌舞伎 」~七世松本幸四郎襲名百年
七世幸四郎の曾孫にあたる、市川染五郎、尾上松緑、市川海老蔵3人を中心とした歌舞伎公演。
染五郎は七世が襲名時に演じた「碁盤忠信」、松緑は茨木童子の伝説を題材にした「茨木」、海老蔵は七世が生涯1600回以上演じた「勧進帳」に挑戦した。


 昼の部は「碁盤忠信」と「茨木」。




「碁盤忠信」
佐藤忠信:染五郎  横川覚範:海老蔵            
楽しい演目。二枚目の染五郎が生き生きと荒事を好演。


「茨木」
伯母真柴実は茨木童子:松緑  渡辺源次綱:海老蔵   
松緑の茨木がよかった。伯母真柴として、花道から出てくるとき、静かで品のあるたたずまいの中にも無気味さがむんと匂ってぞくぞくっ。そして斬られた腕を見て一変する表情がいい。鬼の勇壮な姿と舞いも!

2011年12月7日水曜日

12月7日 新国立・中劇場「ア・ソング・フォー・ユー」




カーペンターズ・ミュージカル「ア・ソング・フォー・ユー」
出演:川平慈英、春野寿美礼


 舞台は1970年代、
 横田基地のある東京・福生。かつて学生運動をしていたSHOKO(春野)は、ライブハウスでカーペンターズを歌っている。


 彼女と反発し合いながらも心惹かれて行くロックシンガーの征司(川平)。かつて共に学生運動をしていた元恋人で現在はレコード・プロデューサーの国枝(羽場裕一)。


 彼らとの交流を通し、SHOKOは本当に大切なもの、本当の幸せとは何かを模索していく。全編を通して、カーペンターズのメロディーが流れ、歌と共に物語が展開する。


 宝塚歌劇団・元花組男役トップスター、ドラマティックに歌い上げる実力派の歌い手・春野さん。
 私は彼女に出会い、誘われ、宝塚のドアを開けることができたのでした。


エリザベート、ファントム、アデュー・マルセイユ……みんな大好き!


ひたひたと空間を満たしていくようなベルベット・ヴォイス。
歌声に、演じる人物の心が溶け出したとしか思えない演劇性。
人間の世界を突き抜けた、天上界の声のような包容力と透明感。
そして歌声に抱かれたとき、ぞくっと身ぶるえさせられるような、根源的な力まで感じさせて……
至高の歌姫・DIVAです。




 カーペンターズの甘くやさしいメロディに、陰影を感じさせる歌はさすが!


 花がたくさん贈られていていて、その一角に、元宝塚の真飛さん、瀬奈さん、彩吹さん、朝海さんの花が並んで飾ってありました。



真飛さん。明るく愛らしく……凛々しいっ!
瀬奈さん。華やかだぁ。


彩吹さん。可憐で、ロマンチック。


朝海さん。すっきり&ゴージャス。






2011年12月2日金曜日

12月1日紀尾井小ホール「女優 松井須磨子」 五十田安希ひとり芝居

「女優 松井須磨子」五十田安希ひとり芝居
監修:河竹登志夫 原作・脚本:榎本滋民 脚本・演出:吾妻正
出演:五十田安希


 五十田さんはシェイクスプア作品から独自の発案によるひとり芝居「マクベス夫人」を生み出し、1971年に上演を開始した我が国の一人芝居の先駆者。1991年にはロンドンのシェイクスピア・グローブ・トラストの「シェイクスピア・イン・ジャパン・アワード」を受賞している。
 
 日本近代劇の揺籃期に島村抱月と出会い、女優として絶頂を極めた松井須磨子の10年間を、新しい時代を開いた女性先駆者という視点から、試練、栄光、挫折の生涯を描く。


 五十田さんの舞台にかける純粋な思いがまっすぐに伝わってきた。
 歌うように声がすーっと前に出て、言葉がとても音楽的でもあった。