『東山桜荘子「佐倉義民伝」』
堀田家の暴政に苦しむ人々のために、四代将軍家綱に直訴した木内宗吾を描く、史実に基づいた作品。
なんと今回は1階の前から1列真ん中。
雪に見立てた紙吹雪が膝に舞い降りてくるような神の席でした。
人々のために、ひとりの人間としての幸せをあきらめる宗吾(松本幸四郎)。最後まで家族を思い、これでもかと苦悩するさまが伝わってきてじぃ~ん。
女房のおさん(福助)も、凛としてけなげな感じが現代にも通じる素敵さだった。
家綱(染五郎)の立ち姿もとてもきれいだった。
振り続ける真っ白な雪の背景から一転、「東叡山直訴の場」の桜の季節に舞台がかわったときは息をのんだ。。
その鮮やかなこと、華やかなこと。たまりません。
幸四郎、家綱役の息子の染五郎さん、宗吾の長男彦七を演じる孫の金太郎さんと、三代が勢ぞろいというのも、歌舞伎ならではの楽しみでした。
『唐相撲』
重い題材の『佐倉義民伝』」の後に、明るく軽やかなこの演目でちょっとホッ。
勝負がつくたびに酒をふるまわれ、また勝負を重ねる相撲取りの日本人(菊五郎)の汗粒まで見えた。アクロバティックが動きもよかった。
それから皇后(梅枝)。気品があって美しい。
『小さん金五郎』
上方歌舞伎。
金五郎(梅玉)は明るく愛嬌がある。
小さん(時蔵)は粋できれいで品があって、本当にかっこいい。これなら50両だしちゃうって、納得できてしまうのだ。
お糸(梅枝)も本当にきれい。時蔵の息子さんとのこと。
そして、ふられ役のお鶴(秀太郎)がとても生き生きして、存在感が際立っていた。
歌舞伎はまったくの若葉マークなのですが、気持ちがふわ~っと軽くのびやかになるような舞台だと感じました。
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