Sekiさんの友人で、マリンバの演奏家で指導者でもある市川みどりさんを訪ねた。
市川さんは武蔵野音楽大学器楽科マリンバを卒業。50歳から海外でコンサートをはじめ、今ではニューヨークと所沢を行ったり来たりしている。先日、クロアチアで開いたコンサートも好評で、今年の夏の音楽フェスティバルにも招聘されたとのこと。カーネギーホールでもコンサートを。
マリンバの演奏というとほとんどがコンテンポラリーで、音楽的に?????のものが多いのだが、市川さんはいわゆるクラシックを中心に演奏している。
「有名になりたいといったような欲はないんです。弾きたいものを弾いて、その音楽を感じてほしい。それだけ。だからチャレンジができるのかもしれませんね」
市川さんは指導にも力をいれており、音大に進学を希望する子どもたちの指導に定評がある。
そればかりでなく、 右手と左手、ばらばらに動かすことができない知的障害のある子どもや自閉症児などをも、1対1で根気よくマリンバの世界に誘っている。
左右違う動きを何年もかけてマスターし、マリンバの演奏ができるようになった人も。その子たちの演奏会をニューヨークで開いたときには、「奇蹟だ!」と絶賛され、アメリカでそうした子たちへの指導を行ってほしいと熱望された。
「1対1の指導で何年も時間が必要です。そして障害がある子が左右異なる手の動きをするようになるためには、その子自身も大変な努力が必要です。けれど、それができるようになったとき、ただ両手が別々に動くというだけでなく、その子に新しい可能性が広がる。音楽の楽しみも深くなります。子どもたちの新しい可能性を信じて、少しでも障害を克服する方向にと導くお手伝いができればと思っています。これからも私ができることを精いっぱいやっていきたいですね」
市川さんは高知県出身。
「チャレンジが好きなのは竜馬の血が流れているからかも」
素敵な出会いでした。
市川さんのマリンバは音色の豊かさで高く評価されている。 「叩くのではないんです。包丁で切るときと似ているかもしれません。柔らかいものを切る、小さなものを切る、連続してトントントン動かす。大きく固いものを切る……。それぞれ違うでしょう。思いを込めて、そういう感じで音色を変えていくの」 |
鍵盤の下にあるホーンのようなものが豊かに響く。 |
マリンバにもたくさん種類がある。 |
ニューヨークでの演奏会後に制作してもらったメモリアルブック。 |
メモリアルブックの1ページ。マリンバを演奏する市川さん。すらっとした美人でもある。 |
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