帝国劇場 5・6月公演「エリザベート」 製作発表
なんと、幸運なのでしょう。
朝、5時に目覚めてしまった。
会場に到着すると、トントントン……。胸の鼓動が聞こえ始めた。
そして、いよいよそのときが。
登壇者
エリザベート:春野寿美礼、瀬奈じゅん
トート:山口祐一郎、石丸幹二、マテ・カマラス
ルキーニ:髙嶋政宏
ルドルフ:大野拓朗、平方元基、古川雄大
演出:小池修一郎
舞台の左から高嶋・瀬奈・春野・小池・山口・石丸・マテという順で着席。
その後ろに3人のルドルフが並ぶ。
春野さんは肌に溶け込むような淡い色のシンプルなロングドレス姿。
瀬奈さんは鮮やかなブルーのミニ丈の膝が見えるワンピースにきらきらのサンダル。
「この作品は動乱と変革のシンボルでもあり、崩壊、再生という、今の日本と通ずるものがあると痛感している」といった小池さんの話から始まった。
次に小池さんによるキャスト紹介があり、春野さんには「女優としての真価が発揮されるだろうと期待してます」。瀬奈さんには「今度はこうして……ということもあると思う。がんばって」と。
そしてキャストの挨拶に。
春野さんは「みなさんの背中を追いかけながら、がんばりたい」。
瀬奈さんは「新しいエリザベートをつくっていきたい」
ときどきおふたり顔をみあわせたり、ふっと笑いあったりしながら。
質疑応答に答えて、春野さんが「シシィの孤独感、思いを貫こうとする芯の強さというものを身体の感覚として感じられるようになりたい」と言葉を選びながらいったのも印象的だった。
ここで、舞台上のテーブルと椅子が撤去され、歌の舞台に。
ピアノのバックで、まずはマテさん(語る声がとても素敵)による日本語の「愛と死の輪舞」。
いよいよ、春野さんの「私だけに」。
舞台の真ん中にすっと立った春野さんの表情が、ピアノの短い前奏の間に、変化していく。
エリザベートに替わっていく。
「いやよ♪」
そのワンフレーズだけで、空間全体をとりこにしてしまった。
厚みと弾力のある柔らかで優しい声。
歌に、春野さんに、みな釘付けになり、前のめりになっていく。
「シシィの孤独感、芯の強さというものを感覚として感じられるようになりたい」という春野さんの言葉をすでに体現したような。
エリザベートの孤独の深さ、そして自分を捨てないという強さがじわじわと迫ってくる。
完成しているとしか思えないこの歌を、春野さんは、5月の幕開けまでどこまで磨き上げていくのだろう。
春野さんのエリザベートが楽しみでならない。
そして瀬奈さんのエリザベートも。
自在に動ける卓越した演技力、そして魅力的な独特の声。
宝塚を退団以来、数々の大きな舞台を真摯につとめ、瀬奈じゅんの魅力を放ち、高い評価を得てきている。どんどん新たな力をつけているはずだ。
魅力あふれるふたりのエリザベートが5月に生まれる。
本当に幸せな日でした。夢みたいでした。
(……できることなら、春野さんに「愛と死の輪舞」も歌ってほしかった……)
早く、5月にならないかな……♡
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