2012年6月25日月曜日

6月24日 赤坂ACTシアター「サンセット大通り」


作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
脚本・作詞:ドン・ブラック&クリストファー・ハンプトン
修辞・訳詞:中島淳彦
演出:鈴木 裕美
音楽監督:塩田 明弘

 ハリウッドのサンセット大通りにある邸宅のプールで、脚本家ジョー・ギリス(田代万里生)の死体が発見される。死んだ彼はそのいきさつを語りはじめる。
ジョーは脚本が売れず、借金に苦しんでいた。借金取りに追いかけられてジョーが逃げ込んだのは荒れ果てた邸宅。サイレント映画の大女優ノーマ・デスモンド(安蘭けい)が、執事のマックス(鈴木綜馬)とともに住む家だった。
ノーマはジョーに邸宅に住むようにいい、彼女が自分が主演するつもりで書いたという「サロメ」のシナリオを書きなおすようにいう。やがてジョーはノーマと関係を持つ。だが脚本家志望のベティ(彩吹真央)とも恋に落ち、それを知ったノーマは……・

『オペラ座の怪人』や『キャッツ』で有名な作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー。
この作品は1995年トニー賞で作品賞、作詞・作曲賞、主演女優賞など7部門を受賞した大作である。

ノーマを演じた安蘭さんが登場し、歌が空間に響いた途端、ぞくっ!
往年の大女優の貫禄と迫力、そして弱さやもろさ、時代に忘れられていく悲哀、その上くすっと笑ってしまうコケティッシュさも感じられて安蘭ノーマはとても魅力的。
ノーマを愛し、守り抜こうとつき従うマックスを演じる鈴木さんの歌も胸にしみる。そのまなざし、佇まいも存在感たっぷりだった。
彩吹さんは未来を信じ、チャンスを逃すまいと希望を胸に抱くベティのきらめくような若々しさを色鮮やかに描き出した。
成功を求めて歩いてきたのに夢が砕かれた男・ジョー。それでもあきらめることができない。焦り、業の深さ、挫折に対する悲しみと怒りと絶望……田代さんの『Sunset Boulevard』は圧巻!

ノーマの邸宅での、時間が止まった世界。
そしてハリウッドに集まる若者たちの明るく華やかな夢の世界。
――残酷なまでの対比。

ノーマが映画の撮影所に赴き、往年の名女優として賞賛されるシーンの『As If We Never Said Goodbye』も素晴らしかった。
そして最後にノーマが階段を下りてくるシーン、胸がいっぱいになった。安蘭さんにノーマが乗り移ったような凄みさえ感じさせられた。

人間の欲、希望、挫折、絶望……。生きる喜びと切なさがひたひたと胸を満たす。
 カーテンコールの後、本日は、プレゼント抽選会! 
 鈴木綜馬さんと彩吹真央さんが登場し、3人にサイン入りポスターとTシャツがあたりました。
 おふたりの軽快なおしゃべりが楽しいっ。
 鈴木さんいわく、昨日は彩吹さんのファンの方の総見だったそうです!
   宝塚ファン、がんばってますね。

 彩吹さんの宝塚版「エリザベート」のルドルフ、「ファントム」のキャリエール、大好きです。春野エリックと彩吹キャリエールの銀橋でのデュエット……何度見ても、胸がいっぱいになります。
 

公演画像
左から彩吹真央、田代万里生、鈴木綜馬、安蘭けい

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