2012年5月27日日曜日

5月24日 日本青年館「近松・恋の道行」宝塚花組 みわっちのお誕生日サプライズ

上方絵草紙『近松・恋の道行』

宝塚花組 「近松・恋の道行」
近松門左衛門原作・植田景子脚本演出
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舞台は元禄バブルがはじけた江戸時代の大阪。
まじめで世間知らずの茶椀屋の跡取り息子の嘉平次(愛音羽麗)が、新伏見坂町「柏屋」の見世女郎の「さが」(実咲凛音)に出会い、初めて男女の機微にふれ、恋に落ちる。なんとか身受けしたいと思うが、幼馴染みの長作(瀬戸かずや)に騙され、やがて心中に誘われて……。




ところどころで、操り人形を模した男女の踊り(柚香光)が象徴的に繰り広げられ、近松の心中世界に観客を誘う演出も見事。


一つ屋嘉平次(愛音羽麗)と柏屋さが(実咲凛音)の大人の恋。
元武士の清吉(華形ひかる)と元主筋のきよの小弁(桜咲彩華)の一途な恋。
嘉平次の弟(鳳真由)の嘉平次のいいなずけきは(華雅 りりか)への思い……。




さらに父・近松門左衛門の偉大さに苦しみ廓がよいを続ける息子鯉助(春風弥里)。
借金を追い、竹馬の友である嘉平次を騙す長作(瀬戸かずや)。
嘉平次の姉(初姫さあや)






宙組トップ娘役が決まっている実咲さんは凛と美しく、セリフの口跡もきれい。

瀬戸さんは初めての悪役で苦労したとのことだが、体当たりの極悪ぶりがすごい。ほんとに悪いヤツだと思ってしまった……今後がますます楽しみに。




春風さん、宙組から異動したばかりということを感じさせない芝居巧者。放蕩息子の苦悩をしっかりと演じた。動きが大きく、華がある。今後も注目!


ベテランの汝鳥伶さんや光あけみさんの懐の深い芝居、そして元・花組組長・夏美ようさんの重厚な演技も素晴らしかった。


小弁を演じた桜咲さんも声が本当に素敵で芝居もうまいのにびっくり。


元赤穂浪士につかえた足軽の息子で今は小間物行商人をしつつ、女郎に身を落としてしまった主人の娘・小弁を命がけで守ろうとする清吉を演じた華形さんは、やっぱり色気があって魅力的。お名前のごとく、舞台上で光っていた。

そして愛音さんは、誠実にいきようとするためにどんどん追い詰められていく、その哀しさ、はかなさを見事に演じていた。その美しいこと。声も歌もよく響いていた。また彼女が全ストーリーをしっかりまとめ、率いていることも伝わってきた。


真飛さんが花組をまとめあげていたときのような、愛音さんを中心に温かい渦ができているのが見えたような気がした。






和物はちょっとどうだろうと思っていたのだが、見てよかった。


どの登場人物も、なぜそういう行動をとるのか、といった背景まできちんと描かれていて、隙もなければ無駄な場面もない。
人を恋すること、親との葛藤、親の子供への愛……。
芝居、踊り、歌、衣装、、立ち居振る舞い、舞台装置……。
見所がいっぱいで、魅力がいっぱいで、目が離せなかった。


植田景子さん、素晴らしいです!
植田さんのクラシコ・イタリアーノも大好き!


ところで、この日は、愛音さんの誕生日!
カーテンコールでサプライズも。
みわっち、おめでとう!


今年の忘れられない最高の舞台のひとつといえそうです




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