2012年5月16日水曜日

5月15日 世田谷パブリックセンター「朗読『宮沢賢治が伝えること』」

出演者・麻実れい、野村萬斎、段田安則
栗山民也氏演出で、38名の舞台人たちが毎回3名ずつ登場し、宮沢賢治の世界を朗読で表現する。東日本大震災被災地の復興への思いをこめた公演とのこと。


宮沢賢治は岩手県生まれの詩人。
2万2000人もの犠牲者を出した明治三陸地震が起きた明治29(1896)年に岩手県で生まれた。
没年の昭和8(1933)年には3000人以上がなくなった昭和三陸大地震が起きている。


ステージのテロップでそのことを知った。
同じような悲しみの時代を生きた表現者であったのだと気付かされた。


「注文の多い料理店」「よだかの星」「春と修羅」「永訣の朝」「雨ニモ負ケズ」……。


麻実さんの声が空間に浮かびあがり、ふわりと私を包み込む。
声が両手を広げ、後ろから私を抱きしめるみたいに。
そして言葉が麻実さんの口からついて出るたびに、そこに野原が出現し、風が動き、星がまたたきだす。


まるで麻実さんが宮沢賢治の世界そのもののような。
次々に言葉が見せてくれる世界の鮮やかさに、息をのまずにはいられない。


麻実さんの透明さ、柔らかさ、しなやかさ、のびやかさ……。
圧巻でした。


1時間の朗読会でしたが、心をきらめく光で洗ってもらったかのような、浄化された気持ちになりました。


物語世界を深く理解し、それを表現する力を持つ麻実さん。
いつも感嘆してしまう。


宮沢賢治と麻実れいさんの見事なセッションに、拍手です!


中村友子さんのマリンバの演奏も効果的でとてもよかった。
照明もいい感じ。

しかし、それにしても朗読ほど、力量の差が出るものはないかもしれないません。



23日には宮澤りえさんの同じ朗読会に行きます。
今、多くの舞台で力をつけているりえさんがどんな世界を見せてくれるか、楽しみ♡


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