2011年11月14日月曜日

11月14日平成中村座「十一月大歌舞伎」昼の部

平成中村座「十一月大歌舞伎」の昼の部


「双蝶々曲輪日記」
 人気関取・濡髪長五郎(中村橋之助)は、骨太で大物力士らしい貫禄たっぷり。放駒長吉(中村勘太郎)の軽やか&さわやかぶりと好対照。
 勘太郎は、濡髪がひいきの若旦那・山崎屋与五郎も演じた。茶屋の亭主の濡髪への賛辞にすっかり舞い上がり、持ち物を次々に与え、ついには濡髪の大きなどてらを借りて、亭主と二人して着込んで去ってゆく、その浮かれぶりがいい。


「お祭り」
 勘三郎が鳶頭鶴松を務める舞踊。ラスト近くで舞台後ろの扉が開くと、真後ろにそびえる東京スカイツリーと隅田川が現れるという趣向だったが、私の席からはスカイツリーが見えず、残念。


「義経三本桜」
 壇ノ浦の合戦で入水したはずの知盛は生き延び、船問屋渡海屋を営み、安徳帝を娘のお安として育て、平家再興をもくろんでいたという設定。知盛(片岡仁左衛門)は、頼朝から追われる義経一行をわざとかくまい、油断させる。義経を探しに来る鎌倉武士・相模五郎(橋之助)と入江丹蔵(勘太郎)の魚づくしのセリフが楽しい。
 戦に敗れた知盛は、大物浦で義経らから諭され、やがて復讐の気持ちが消えていく。そして平家一門のみ栄えよと父・清盛がふるまったからこういうことになったのだと納得する。そして碇綱を身体に巻き付けて入水するのだが、その碇を担ぎ上げた姿は凄絶だった。これで平家の恨みを鎮めるという決意が伝わってきた。


 花道で見得を切る、その場所のすぐ近くの2階席だったのが本当にラッキーだった。勘太郎の若々しい横顔、仁左衛門の端麗かつ豪快な姿が手に取るように見えた。
 額にきらりと光る汗の玉まで見えて、どきどき。
 役者の表情がしっかり見える席は、やっぱり最高ですね!

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