2012年4月18日水曜日

4月17日 東京宝塚劇場 月組「エドワード8世/Misty Station」



3月23日、30日に引き続き、3度目の観劇。
そしてこれが……
私にとっての霧矢大夢さんのザ・ラスト・デイ。
 
それにしても見るたびに発見がある作品だった。
そして、見るたびに進化していたことに驚かされた。


「エドワード8世」の中に、


「広がっている星空のその下に
 誰も知らない まだ見ぬ大地が 地図さえないけど
 そこにはたしかに 歩みを進める道がある
 けれど見える 遥かな彼方に
 幻でないと確かめたい 幻のような でも信じたい……♪」


 という歌がある。
 そして最後にこう歌う。


「過ぎた日々に 悔いはないと語れば嘘になる。けれども誓おう
 ともに生きた ゆきし日々のすべてが誇りだと 
 ……
人は誰も自分だけの道を 見つけ信じて歩む
ここで生きた 愛しき日々 すべてを抱きしめて 別れを告げよう
いま踏み出す 私だけの遥かに続く道
信じよう その彼方に君がいるのなら♪」


 これらの歌の素晴らしいこと。声に透明感がある。ひと声で場を圧する豊かな響きがある。
 そして身のこなしの美しさ。表情の多彩さ。


 さらに観客席のすみずみまで圧倒せずにはおかない演技力!


 エドワード8世ことディヴィッドは、本当に難しい役だったと思う。
 王座を約束された地位、その責任と束縛、自由への渇望……ディヴィッドには、自分という人間の輪郭さえつかめないようなときだってあったはずだ。


 自分とは何かという命題を常に抱えて、果敢に生きざるをえなかった。
 それはすなわち、それだけの強烈な自我の持ち主であったということ……。
 
 その葛藤、複雑さ、強烈なエゴを霧矢さんは理解し、叩き込み、霧矢ディヴィッドを誕生させ、日々、進化させ続けた。


 きりやんオーラに、包み込まれ、心が満たされ、日々の生活で胸にたまった澱のようなものがすべて洗い流されたような気がした。
 
 そしてMisty Station!
 盛りだくさんでカラフルで、楽しさ満載。
 6場でのラインダンスに伴われた霧矢さんの「魂のルフラン」(「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌)から一気に最後に向かって盛り上がっていく。
 黒燕尾。
 大人数でのデュエット。
 霧矢さんと蒼乃さんのデュエット。
 フィナーレ……。
 楽しくてきれいで、素敵で……
 涙、涙でした。


 ありがとう、霧矢さん!
 霧矢さんの宝塚を見ることができて、幸せでした。
 
 千秋楽まで、霧矢さんが最後まで進化し続け、男役をまっとうするよう、祈っています。

2012年4月14日土曜日

4月13日 ルテアトル銀座「椿姫」

美輪さんワールド全開!
デュマ・フィス原作『椿姫』。美輪さんが脚本・演出そして主演!
ただ、美輪さんのマルグリッドほどの女性が、
あまりにシンプルで純情しかないアルマンのような男性を
果たして好きになるだろうか、と、正直、思ってしまった。
人生の最後に本当に大切なものをと思ったということなんだろうけれど。
木村彰吾アルマンにもう少しがんばってほしい……。
アールデコ基調の舞台セット、衣装などはとてもゴージャス。

2012年4月6日金曜日

4月5日 新橋演舞場「四月花形歌舞伎通し狂言 仮名手本忠臣蔵」昼の部

御存知、忠臣蔵の歌舞伎版。

幕府の典礼の指導を司る高師直は松緑。
饗応役の桃井若狭之助は、獅童。
塩冶判官は菊之助。
塩冶判官の妻・顔世御前は松也。
大星由良之助は染五郎。

まぁ、松緑の高師直の憎々しいことったら……ない。
それでもって菊之助の見目麗しく、初々しいこと。ため息!
黒と白の見事なコントラストでありました。
松緑いや、高師直からさんざんいたぶられ、塩冶判官の菊之助は奥歯をかみしめ、目には涙!
そのとき、観客席からはハッと息をのむ音が響いたほど。
本当にきれいでおっとりしているので、悲運の貴公子がとてもよく似合う。
松也の顔世も品があってよかった。
短気で単純な若殿役も獅童にぴったり。
染五郎もがんばっていた。

どの役者にも花があり、懸命に好演。

4月4日  青山劇場「SAMURAI7」

 中川晃教さんの大ファンのYOKOさんに誘われ、「SAMURAI7」に。
 会場には若い女性がたくさん。なぜならば、この芝居には「テニスの王子様」をはじめとする舞台で人気に火が付いたイケメン若手ミュージカルスター軍団が出演。
 馬場徹、中河内雅貴、磯貝龍虎、市瀬秀和、高橋広樹、住谷正樹。
 なるほど、みんな、殺陣はうまいし、踊りもいけてる。
 女の子がため息ものなのも納得。
 そしてベテラン加藤雅也がぎゅっとしめる。
 中川さんは彼ら7人の侍の敵役。
 YOKOさんが夢中になった理由がわかる。
 中川さん演じるウキョウの狂気っぷりがいい。
 声の柔らかさ、ため、こぶし、シャウト……声の中にウキョウの心がとけこみ、どこまでも透明に伸びていく。
 歌出身の人なのだけれど、表情も動きもいい感じ。
 セリフにもリズム感が感じられる。
 脇の丸山敦史、とめ貴志もよかった。 
 
 ただ、キララ役の疋田英美の演技が単調で一本調子だったのが残念。
 場をひっぱっていく女性ヒロインなのに、表情がひとつ。幼さだけが前面に出ていて、物語がそのために軽くなってしまったように思う。


 YOKOさんは中川さんが主演した(井上義雄とWキャスト)「モーツァルト」を見て、すっかり魅了されたとのこと。
 ぅわ~、中川さんのモーツァルト、見てみたい!